Design for How People learnを読んだ

米アマゾンでe-learningで検索すると一番上にでてくるこの本が気になっていたので読みました。業務との関連もあったので一度読んでおきたかった本です。

正しいことを教えただけでは人はスキルを獲得することはできないという前提のもとにどうしたら受講者の学習体験をよくできるかを豊富な例示とともに解説してある本です。 例示が豊富でイラストも多くかなりわかりやすい本になっていると思います。この本自体もDesign for How People learnを取り入れてますね。
面白かった所をいくつか上げてきます。

誰だって自分はバカとは感じたくない

本ではモチベーションに対する言及の中で誰も自分をバカとは思いたくないので、知っている事が全くない書籍よりも自分が知っている事が多少ある本の方が人は手に取るということが書かれていました。ゲームと同様に以下に人に「自分は賢い!」と思ってもらうかどうかが大事であるとのことです。 これは自分の中では結構納得していて、だいたい自分がハマったゲームは最初のプレイで結構うまいじゃん!とシステムや他人に褒められたことがあるゲームが多い気がします。
情報全てを相手に伝えるのが正しいわけではないというのも同意です。「正しくいうのであれば〇〇にはこういうケースがあり~~」等ってゲームを初心者に教えるときによく聞くワードですけどそんなに情報詰め込んでも聞いてる側はアップアップになってしまうのでは?という気がします。

すぐに役立つものに人は興味をもつ

人間の理性的な部分にだけ問いかけているだけでは十分ではなく、本能的な部分に問いかけないと人は興味をもたないという話。 楽しいものと結びつけるというよりは学習者が今まさに欲しているものに対して知識を教えるのがコツとのことです。人間すぐ手に入る報酬を大切にするだろうし、穴がないのにスコップの使い方教わってもあまり興味をもてないって話ですね。

環境

学習は教室や研修室だけで起きるものではなく、良いコミニュティーや仲間たちに支えられていますとのこと。もしコミュニティができそうならば全力で支援して上げるべしとのこと。 コミュニティとかいっしょに学ぶ人って大きいですよね。自分もプログラミング学ぶときにはプログラミングスクールに通ったんですがその時いっしょに頑張っていた人がいたのがかなり学習のやる気に直結していたのを覚えています。 この環境を以下に平等に用意できるかがいわゆるEdTechのキモなんじゃないかと個人的に思っています。

対例を使う

いい例だけでなく悪い例を出すと理解しやすいよという話。問題のある書き方を見せたほうが正しい理解になるのはなるほどという感じです。 これもゲームでもコードでもよく聞く話ですね。よくうまいプレイヤーの動画を見て学習したり、いい設計の方法なんかの情報がありますが、私的にはだめなコードやプレイにたくさん指摘がある情報の方が役にたつ情報だと思います。いいコードとかいいプレイって割と状況によって変わってくることが多いんですが、悪いコードやプレイって割と共通していて役に立てやすいことが多いです。

あとがき

自分はkindle cloud readerとDeepL使って翻訳しなが読みましたが、最初に書いた通り割と平易な英文が多いですし図も豊富なので翻訳使わなくても読める人は多いと思います。
本文でも書いたのですが、ゲームにつながる話が多かったのかなと。他人に楽しくなにかを学習させるっていうのはゲームも教育もいっしょですね。