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日記とP⇒Qの真理値の理由

やったこと #

  • 友人とLAPRAS株式会社さんのスキルチェック課題に挑戦してみようぜと持ちかけられたので挑戦してみた。
    • データベース設計の問題だけでもいろいろ仕様があってなかなかボリューミーだなと感じた。これをちゃんと課題として取り組んでいるのはすごい。
    • 友人と回答を話し合うのは楽しみ。
  • まったくのゼロからの論理学を引き続き読んでいる。今回は論理記号と論理式の章を読んだのだが意味分からんところがあったのでちょっと調べものをした。

P⇒Qの真理表の理由 #

条件法の真理表については本を読む前から納得がいっていなかった。 特に前件が偽だった場合になぜ真になるのか全くわからなかった。

id P Q P⇒Q
1 1
2 1 0 0
3 0 1 1
4 0 0 1

例をあげて説明する。

R FakerがAzirをプレイするならばFakerの所属するチームは勝利する。
という条件文の真理値を考える。

  1. FakerはAzirをプレイした。Fakerの所属するチームは勝利した。
  2. FakerはAzirをプレイした。Fakerの所属するチームは勝利しなかった。
  3. FakerはAzirをプレイしていない。Fakerの所属するチームは勝利した。
  4. FakerはAzirをプレイしていない。Fakerの所属するチームは勝利しなかった。

1の場合条件文は真だ。2の場合Rは偽だ。これは直感的にわかった。 3,4はそれだけではRが偽なのか真なのかは断定できない。しかし真理表においてははっきりと3も4も真であるとされている。そこがわからなかった。

色々調べてみると一つ資料をみつけた。
https://www.is.nagoya-u.ac.jp/dep-ss/phil/kukita/others/Logic-of-Conditionals.pdf

この資料によると前件と後件に同じ変数がある条件文を形式含意と呼ぶらしく、形式含意が真であるのは変数にいかなる数字を入れたときも真であるときだけであるという定義がある。 逆説的だが
Xが4の倍数ならXは2の倍数であるが真であるので
5が4の倍数ならば5は2の倍数であるという命題も真でなくてはならないのだ。

つまり上の真理表4の場合においては
Xが10の倍数ならXは5の倍数である
この命題のXに5を当てはめると
11が10の倍数ならば11は5の倍数である。
となる。
このときPもQも偽だ。しかし「Xが4の倍数ならXは2の倍数である」は偽ではなく真である。 よって真偽の組み合わせが同じである4の場合もRは真であるとなる。おなじP⇒Qという命題でPとQの真理値の組み合わせ同じならば絶対に真理値は同じ。P⇒QとP⇒Qは同値でなくてはならないのだ。
つぎに3の場合について考えてみる。
5が4の倍数ならば2は偶数であるは真なのか?
色々調べたところ、これは実質含意のパラドクスと呼ばれているらしい。2は偶数であるが真のとき5が4の倍数ならば2は偶数であるというのは真である。なぜなら5が4の倍数であってもなくても2は偶数であるからである。Qであるというのが絶対に真ならP⇒Qを偽とすることは絶対にできず古典論理において命題は真か偽のどちらかであるからであるので真にするしかないのである。 僕たちが日本語で用いる「ならば」に期待する因果関係というのは古典論理ではまったく考慮しないらしい。

総合して古典論理ではP⇒Qというのが偽であるのはPが真でQが偽であるときのみであり、 P⇒Qが真であるのは「Qが真」または「Qが偽かつPが偽」のときのみと言えるらしい。
そしてこの真理値の土台となっている考え方は、P⇒QとP⇒Qは同値であるという外延性の公理とP⇒Qは真か偽のどちらかであるという二値原理の2つである。 この古典論理の直感的に変な真理値をなんとかするために厳密含意とか色々研究されているらしい。